ブログ

blog

大きなカウンターのある店舗

小さな空間こそ、光で“間”をつくる

狭い店舗では、単純に物理的な広さを追い求めるよりも、「広く感じられる空間づくり」が何よりも大切です。限られたスペースだからこそ、見せ方や感じ方の工夫が空間の質を大きく左右します。そこで重要な役割を担うのが「照明」です。
まずおすすめしたいのが、間接照明による奥行きの演出です。壁の上部や床際に設置した間接照明は、光が直接目に入らずふんわりと空間を包み込みます。特に和紙のパネルや障子越しに差し込む光は、柔らかく優しい陰影を生み出し、まるで月明かりのような落ち着いた雰囲気を醸し出します。こうした陰影の“濃淡”が、視覚的に空間に深みを与え、小さな店舗でも広がりを感じさせる効果があります。
一方で、天井の照明はあえて控えめにすることがポイントです。狭い空間に強い天井照明を当てると、どうしても天井の低さや壁の近さが強調されてしまい、息苦しさを感じさせることもあります。そこで、天井は暗めに落としつつ、カウンターや商品棚といったお客様が注目してほしい場所にスポットライトを当てる手法が効果的です。こうすることで、視線が自然と下へ誘導され、空間に“落ち着き”が生まれるだけでなく、狭さを感じさせない広がりを演出できます。
さらに、色温度にもこだわるとより効果的です。温かみのある電球色の光は、和の素材やデザインと相性が良く、居心地の良い空間を作り出します。反対に、白っぽい光は狭さを際立たせてしまうこともあるため、素材や和柄の美しさを引き立てるためには、やわらかな光を取り入れることが肝心です。
狭いお店だからこそ、光で「間」をつくる感覚が大切です。視覚的な広がりだけでなく、心地よさや落ち着きを生むために、空間の隅々まで計算された照明設計が欠かせません。限られたスペースの中で、光と影が織りなす繊細なバランスが、訪れる人々に“特別な時間”を感じさせるでしょう。

おすすめの照明器具
狭小空間での照明演出には、器具選びと設置位置が非常に重要です。以下に、和の空間に馴染みつつ、効果的な演出ができる照明器具をご紹介します。

  1. 和紙シェードのペンダントライト
    天井から吊るすタイプの照明で、和紙を使ったシェードは柔らかい光を広げ、空間に温もりを与えます。特に麻の葉や七宝などの和柄が施されたものは、外国人観光客にも人気。低めに吊るすことで、視線を下に誘導し、落ち着いた雰囲気を演出できます。
  2. 壁面のライン照明(間接照明)
    壁の上部や棚の背面にLEDライン照明を仕込むことで、空間に奥行きと陰影が生まれます。和紙パネルや木格子の裏に仕込むと、文様が浮かび上がり、昼夜で異なる表情を楽しめます。
  3. スポットライトで素材を際立たせる
    無垢材のカウンターや陶器のディスプレイなど、素材の質感を活かしたい部分には、温白色のスポットライトを。照度を調整できるタイプを選ぶと、時間帯や季節に応じて雰囲気を変えることができます。

小さな空間でも、照明の工夫ひとつで「広がり」「深み」「物語」を生み出すことができます。和柄の美しさを引き立て、訪れる人の記憶に残る空間づくり——それが、私たち〈T’s工房〉の目指す設計です。

資料請求

T’s工房の施工事例集と、
店舗への思いの詰まった資料集をプレゼントします!

T's工房のお店づくりの冊子の表紙